NEWS 2024/01/11
多くの女性ボーカル・ポップパンク・バンドにとって、2023年は飛躍の年となった。アーティスト達はバンド形態にとらわれず、「ポップパンク・シンガーソングライター」または「ポップロック・シンガーソングライター」として、少しずつ盛り上がりを見せている2010年代後半のエモ・ポップパンク・リバイバルのウェーヴを現代的に上手く乗りこなしていったように感じる。 リバイバル気味だった雰囲気は、Machine Gun Kellyが2020年にポップパンク・アルバム『Tickets to My Downfall』、そして2022年の『Mainstream Sellout』の爆発的なヒットによって確実性を帯び、2010年代後半にムーヴメントを巻き起こしたエモラップがポップパンクと上手くクロスオーバーしながら、ラップ、ポップパンク/ロック・シーンを横断するような活動によって本格化した。そこには多くの女性アーティストが登場し、輝きを放ち、小さなポップパンク・シーンからビルボード・チャートのトップになるようなアーティストにまで、エモ・ポップパンク・リバイバルの影響を感じることが出来た。 Olivia Rodrigo 2023年、女性ポップパンク/ロックの最も大きなハイライトに挙げられるのは、Olivia Rodrigoの活躍だろうか。アルバム『GUTS』はビルボードの「The 50 Best Albums of 2023: Staff List」の1位にもなり、多くのロックメディアのトップ・アルバムにランクインした。アルバム全体の作風に関して言えば決して「ポップパンク・アルバム」とか「ポップロック・アルバム」とは言えないかもしれないが、アルバムのオープニングを飾る「All-American Bitch」は現代のティーンエイジャー達のロック・アン...