NEWS 2023/10/13
長かったコロナ禍。ルールでがんじがらめに縛られたライブハウスは一時的に窮屈な場所と化し、遊び場も居場所も奪われてしまったという人が多かったはず。ライブハウスに限らずとも、経済的な事情で慣れた職場を離れざるを得なかった人も多かっただろうし、コロナ禍が明けたからと言って、その傷口は簡単に塞がるものではない。また、制度・風潮・固定概念など、あらゆる“大きな声”が個々人の自由を圧迫する状況に拍車がかかっている昨今、物理的にも心理的にも、安心を確保することは日に日に難しくなってきている。 しかし、『山人音楽祭 2023』(9月23〜24日)に足を運んだことで、胸を撫で下ろすような安心感を覚えた。ロックバンドたちは居場所を作ることを諦めていなかったからだ。もっと言えば、居場所がない時代にこそ、俺たちの音楽とライブを居場所にしてくれと言わんばかりのエネルギーが、どのバンドにも通底していたからである。どんなに世界のポップミュージックの潮流がかつてのロックから離れているとしても、閉塞や分断にまみれた世界に団結をもたらすロックバンドの役割に変わりはないし、それを求める人の声はより熱く、大きなものになってきている。その中心に立つバンドこそ、群馬に『山人音楽祭』という居場所を築き、レベルミュージックの雄として君臨し続けるG-FREAK FACTORYである。 G-FREAK FACTORY 継承されていくローカルマインド 遡ること26年前、1997年にG-FREAK FACTORYは結成された。アメリカで生活した経験を持ち、海外のパンクから影響を受けていた茂木洋晃(Vo)にとって、日本語でパンクをやるというのは大きな挑戦だったかもしれない。だが、そこに意味と勝機を見つけたこと、群馬から全国に向けて音を鳴らすスタンスを貫いてきたこと、そんなアイデンティティを自ら皮肉りながらも、そうすることでし...
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