Photo : Bill Cardella スカパンクの”パンク”は、メロディックパンクのパンクであったり、Less Than JakeやGoldfingerといったバンドであれば、そのパンクはポップパンクであったりする。それは良い意味で、ハードコアパンクなどとのクロスオーバーであるスカコアの存在を内包したり、パンクの持つ広がりとスカの融合を広義の意味で表すスカパンクというキーワードとして現代では機能している。 ここ数年、Millingtonの登場などでスカパンクのパンクがポップパンクを意味する場合でも、Less Than JakeやGoldfingerといったバンドとの違いが感じられるようになってきた。それは、ポップパンクが進化していることの表れであり、スカパンクというキーワードでは収まりきらない魅力を「Brass Emo」というキーワードで表現するようになったことにも象徴される。2024年の下半期には、この「Brass Emo」というキーワードにフォーカスし、新しいスカとポップパンクのクロスオーバーをスカのシーンで見渡していた。そうすると、やはりポップパンクの成長を感じることが出来たし、スカパンクの可能性がサブジャンルの進化によって拡張されていくのが感じられた。ここでは、「Brass Emo」というマイクロジャンルを自称しているいないに関わらず、現代ポップパンクのフレーバーをスカパンクに組み込んだスタイルのバンドの中から、きらりと光るシングルをピックアップし紹介したいと思う。 ︎Millington 「Radio」 最初に紹介するのはやはりこのバンドである。ニューヨーク州オールバニー出身のMillingtonは、11月に公開した「Radio」のミュージックビデオが日本国内のソー...