「バンド、最高だよ。2曲終わったくらいでグッときちゃったもんね。バンド、最高だよ」 汗を拭いながらそう口にする増子直純(Vo)。ライブ開始からまだ4曲しか演奏していないが、その表情にはこの上ない満足感が溢れていた。世界中のアーティスト、バンドが思うようにライブができない渦中でライブができること、それがたとえ無観客であってもライブハウスでライブをやるという、バンドにとって当たり前のことに喜びを感じている、そんなふうに見えた。 怒髪天が約半年ぶりに行ったライブはホームグラウンドというべきライブハウス、京都・磔磔から無観客で送る生配信ライブだった。お祭り好きで宴会好き、ファンを驚かせ喜ばせることが大好きな彼ららしく、通常のライブでは出来ない客席フロアにセッティングされた楽器、対面式の円陣配置によって紡ぎ出される唯一無二のグルーヴ、そして生配信ライブの概念を覆すような4人の表情を余すことなく捉えた巧妙なカメラワークで、誰も真似することの出来ないアツいライブを作り上げながら、その臨場感を余すことなくお茶の間に届けた。『怒髪天 delivery 響都ノ宴 “カラダ立ち入り禁止。第一回、タマシイ限定ライブ。カモン!俺達界隈(魂のみ)。”』は、まさにタイトル通り、全国から、海外から、俺達界隈(怒髪天ファンを指す言葉)の魂は確かに磔磔に集まっていた。 いざ、京都磔磔へ 怒髪天が初となる無観客生配信ライブ、しかも『響都ノ宴』として磔磔で行うと聞いたとき、とんでもない内容になると思った。『響都ノ宴』とは怒髪天が2008年秋より磔磔で毎年開催しているイベントである。一風変わったワンマンライブからジャンルを超えたドリームマッチ、トークイベントに至るまで何でもありの内容で、怒髪天らしいユーモアさと元酒蔵の磔磔が醸す雰囲気が見事に融合した祭りだ。今回は無観客配信の特別版。事前に発表された告知では、...
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