NEWS 2021/07/17
楽しいライブだった。一言でいえばそういうことになる。 近年のライブレポはすべてリアルサウンドに掲載させてもらっているので、ものすごく時間がある方は過去記事と比較すると面白いかもしれない。私はとにかくゴチャゴチャと内面を書いている。結果「当面はアンコールなし」と判断するに至ったMatchan脱退時の公演はどれくらい感情的だったか。その後EKKUNのお披露目ツアーにはどんな覚悟が見えたか。さらに遡ると5年前、二度目の武道館公演のレポに至っては『Ken Yokoyamaはなぜ「語り続けた」のか?』などと考察している。(※1) 今となれば説明的だと苦笑するが、当時は必然の書き方であった。5年前のKen Yokoyamaはほぼ横山健その人とイコール。彼は自分の生き方や考え方を言葉にし、共に考えて歩んでくれと観客に熱弁をふるい、それに対してメンバーは「大将が大事なこと話してる時間だから、まぁウチらは後ろで待ちますよ」のスタンス。1対3の距離がなかったとは言わない。それでも横山のメッセージを受け取ることが何より大事だったから、私はこうも書いた。「ライブの中心にあったのは、声であり、対話であった」と。 Ken YokoyamaJun Gray 比べて、この日の声一一つまりMCは完全に4人のものであった。時にJun Grayがメインで話を振り、すっかりバンドに馴染んだEKKUNが嬉々としてネタを披露。その間Kenはしばしの休憩モードだったりする。また、フェスとの違いを肌で感じるのか、「“いいこと言わなきゃ合戦”しなくていいから気楽だわ」とつぶやく場面もあり、そこにMinamiが「下ネタ言ってればいいんじゃないすか?」と無責任なことを言う。さらには最前列の客を凝視し「最前って運なの? 俺だったら嫌だなぁ」とか「俺の前の人、生活指導の先生みたい」とイジりだすのもMinamiで、その彼の職...
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