ザ・スタークラブHIKAGEが見た1989年の東京と、独自のパンクシーンが発達した地元・名古屋のこと
東京ロッカーズ、めんたいロック、関西NO WAVE、そして名古屋にスタークラブあり
1970年代末、日本の各都市で地域性の強い独特なロックシーンが誕生していた。
東京では、ニューヨークのポストパンクムーブメント“NO WAVE”に呼応したフリクション、リザード、ミスター・カイト、MIRRORS、S-KENなどのバンドの活動が話題となり、彼らは“東京ロッカーズ”と呼ばれた。
博多ではシーナ&ザ・ロケッツ、ARB、ザ・ロッカーズ、ルースターズ、THE MODSなど、ブリティッシュロックや初期パンク色の強いバンド群が、“めんたいロック”と称され人気を博す。
大阪のINU、アーント・サリー、京都のウルトラ・ビデ、SSなど、ポストパンクや電子音楽、ノイズ、ハードコアといった、ひときわアヴァンギャルド色の強い関西のバンド群は、東京ロッカーズに対抗し“関西NO WAVE”を自称した。
しかし名古屋は、ロンドンパンクからの影響が色濃い、1977年結成のザ・スタークラブに続くような際立ったバンドがなかなか登場しなかった。1970年代後半から1980年代初頭にかけての、名古屋アンダーグラウンドシーンについて、当事者であるHIKAGEは語る。