すでにポップパンク・シーンではトップを走るバンドとして高い知名度を誇るNeck Deepであるが、SUM41のファイナル・ジャパン・ツアーで初めて彼らを知った、または初めてライブを観たという方も多かっただろう。どういったバンドがSUM41やNOFXがいなくなった後のパンクシーンを牽引していくかは、気になるところであるが、ポップパンクにおいてはNeck DeepやState Champsといったバンドが世界を牽引していくに違いない。ただ、後続の勢いもあるのと、俄然ベテランの影響力が高いことからなかなか若手が突然売れるということはなさそうだ。しかし、才能あるポップパンク・バンドがいくつも登場し、ファンを楽しませてくれたのは間違いない。ここではベテランからこれから注目しておきたいポップパンク系バンドのEP/アルバムをレビューしていく。 ︎Neck Deep 『Neck Deep』 前作『All Distortions Are Intentional』から4年振りのリリースとなった通算5枚目のスタジオ・アルバム。本作から新たにMatt Powlesがドラマーとして加わり、デビュー・アルバム以来Seb Barlowがプロデュース/エンジニアリングを担当。ミックスはSam Guaiana、マスタリングはMike Kalajianが務めた。先行シングル「Heartbreak of the Century」では、柔らかなキーボードの音色をサウンドにしっとりと溶け込ませ、芯のあるポップパンクを香り豊かに仕立てている。澄明極まりない音色と響きからはすでに巨匠の風格さえ漂う。 ︎408 『Hot Mess』 フロリダ州オーランドを拠点に活動する408の2022年リリースの『Out Of It』に次ぐ...