【2024年上半期】フレッシュなエモーショナル・ポップパンクの名盤6選

  Real FriendsやKnuckle Puck、日本ではGood Griefらに代表されるようなエモーショナルなポップパンク。それらはサッド・ポップパンクなどと呼ばれることもあるが、明確にポップパンクのサブジャンルとして別れているわけではない。近年再び盛り上がりつつあるネオン・ポップパンクと呼ばれるものとは違うし、かといってメロディック・ハードコアに分類されるわけでもない。独特なエモ感覚を持ったこのポップパンクは、パンクロック、ハードコア、エモと多様なシーンに受け入れられる要素を持っている。このコラムでは、2024年の上半期にリリースされたいくつかの注目すべき作品をアルバム、EPに関わらずアルバムレビューして見たいと思う。     ︎Lyndhurst 『Dear Anxiety』 ペンシルバニア州ヨーク出身、2022年のデビュー・アルバム『Between the Here and Everywhere』以来2年振りのリリースとなる本作は、5曲入りのEPでありながら充実した内容に仕上がっている。失恋、友情、若者の不安などといった親しみやすいテーマはポップパンクにはありがちであるが、Sleep On Itで活躍したボーカルZech Pluisterを彷彿とさせる力強いボーカルワークや、Youth Fountainにも通ずる胸を締め付けるようなエモーションがたっぷりと詰まっており聴きごたえ抜群だ。ラストのカバー曲「Never Gonna Give You Up」はやりすぎ感が逆に心地良い。         ︎SIGHTS 『Living Lost』 2016年に大阪を拠点に結成され、外国人メンバーであるボーカル/ベースNickとギタリストMark、そして国内パンクシーンを支えてきたギタリストTAKAK...

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